■目次 1. 離婚協議書とは 2. 離婚協議書に記載すべき内容 3. 離婚協議書を作成する流れ 4. 離婚協議書...
女性のための離婚相談
離婚を考え中の女性へ
「夫と離婚したい」と悩んでいませんか? この記事では、離婚を考えている女性のために、離婚の具体的な進め方、事前に準備すべきことなど、離婚に関するあらゆる情報を弁護士が分かりやすく解説します。協議離婚、調停離婚、審判離婚、裁判離婚といった離婚の種類ごとのメリット・デメリットを理解し、離婚を進めるに必要な知識を提供します。また、不貞行為やDV、モラハラといった証拠集めの重要性や、財産分与、親権、養育費といった離婚に伴う重要な問題についても解説します。さらに、離婚を弁護士に相談するメリットを明確に示すことで、皆様が安心して離婚を進められるようサポートします。この記事を読んでいただき、少しでも離婚への不安や疑問が解消され、今後の行動を具体的にイメージできるようになれば幸いと考えます。具体的な手続きや準備に加え、精神的な負担軽減のヒントも得られるはずです。
-
1.離婚したいと思ったらまずやるべきこと
「離婚したい」と思ったら、まず冷静に現状を整理し、今後のことを具体的に考えていく必要があります。感情的になって衝動的に行動してしまうと、後々後悔する可能性が大です。落ち着いて、以下のステップに従って行動してください。
(1)冷静に現状を整理する
まずは、なぜ離婚したいのか、その理由を明確に認識しましょう。ぜひ紙に書き出してください。夫の性格、生活習慣、価値観の不一致、不貞行為、DV、モラハラなど、具体的な理由を整理することで、本当に離婚が必要なのか、あるいは修復できるのか、紙に書き出し「見える化」することで冷静に判断できるはずです。
また、離婚後の生活についても、できる限り具体的にイメージしてください。住居、仕事、収入、子供の養育など、現実的な問題点を洗い出し、どのように解決できるか、解決していくかを考えることが大切です。離婚後の生活設計をある程度描いておくことで、不安や焦りを軽減し、冷静な判断ができるようになります。
自分の気持ちや考えを整理するために、日記をつけるのもおすすめです。日々の出来事や感情を記録することで、自分の気持ちの変化を客観的に捉えることができます。また、後々離婚調停や裁判になった際に、証拠として役立つ可能性もあります。特に、モラハラが原因の場合には、どうしても客観的証拠が乏しいため、日々の日記が大きな証拠となる可能性があります。
信頼できる友人や家族に相談することもおすすめします。話を聞いてもらうだけでも、気が楽になります。ただし、相談する相手は慎重に選びましょう。不用意に多くの人に話してしまうと、噂が広まり、夫との関係が悪化する可能性があります。秘密を守ってくれ、客観的なアドバイスをくれる人に相談してください。弁護士への相談もおすすめです。当事務所は初回相談無料ですので、相談だけでもご遠慮なくご連絡ください。
(2)離婚の種類とそれぞれのメリット・デメリット
離婚には、協議離婚、調停離婚、審判離婚、裁判離婚、といった4つの種類があります。もっとも審判離婚はほぼ使われることはありません。他の3つの離婚について、まずは、それぞれのメリット・デメリットを理解してください。
離婚の種類
ア 協議離婚
離婚協議は、夫婦間の話し合いによって離婚の条件を決める手続きです。
メリット |
デメリット |
手続きが簡単で費用もかからない |
夫婦の合意が必要 |
夫婦の話し合いで自由に決められる |
感情的になりやすい |
比較的期間が短く、精神的な負担が少ない |
知識不足のため、不公平な結果になる可能性がある |
イ 調停離婚
離婚調停は、家庭裁判所の調停委員を交えて、夫婦間の話し合いを進める手続きです。
メリット |
デメリット |
公平な第三者である調停委員が間に入ってくれる |
時間がかかる場合がある |
冷静な話し合いができる |
時間をかけたにも関わらず合意に至らない場合もある |
強制執行ができる調停調書が作成される |
|
ウ 裁判離婚
離婚訴訟は、家庭裁判所に訴訟を起こし、裁判官の判決によって離婚をすべきかどうかの判決を得るための手続きです。
メリット |
デメリット |
合意になくとも最終的な解決が可能 |
時間と費用が掛かる |
強制執行ができる判決を得ることができる |
精神的な負担が大きい |
これらの種類の中で、まずは、当事者の話し合いによる協議離婚の成立を目指します。協議離婚で話がまとまらない場合は、法律上、すぐに裁判離婚(離婚訴訟)を選択することはできず、調停離婚に進まなければなりません(これを調停前置主義といいます。)。裁判離婚は、調停が不成立になった場合に、家庭裁判所に離婚訴訟を起こす手続きです。
-
2.夫と離婚したい場合の具体的な進め方
夫と離婚したいと決意した場合、具体的な手続きはいくつかの段階を経て進みます。ここでは、協議離婚から裁判離婚(離婚訴訟)までの流れと、それぞれの段階で何を行うべきかについて詳しく解説します。
(1)弁護士への相談
離婚手続は、法律や手続きに詳しくない方にとって複雑で困難な場合があります。まずは弁護士に相談することを強くおすすめします。弁護士は、あなたの状況を正確に把握し、状況に応じた最善の解決策を提案してくれます。また、精神的な支えにもなれます。
相談する弁護士を選ぶ際には、できれば離婚問題に精通している弁護士を選びたいです。当事務所もそうですが、初回相談は無料で行っている法律事務所も多いので、気軽に相談してみてください。具体的な相談内容としては、離婚原因、財産分与、慰謝料、親権、養育費などについて、あなたの希望を伝え、弁護士の意見を聞きましょう。その際、親身になって相談してくれるかどうかは重要な要素ですが、あなたの話に迎合するだけで法的な観点から適切なアドバイスをしてくれない弁護士には要注意です。「良薬は口に苦し」とも言います。法的な観点から適切なアドバイスをしてくれているかどうかを冷静に判断してください。
(2)離婚協議
離婚協議は、夫婦間の話し合いによって離婚の条件を決める手続きです。離婚で決めてほしい条件には、概ね6項目あります。親権、面会交流、養育費、財産分与、慰謝料、年金分割です。
詳しくは、当事務所ホームページ「離婚で決めるべき6項目」をご覧ください。
離婚の条件に合意できた場合には、合意した内容を書面に残すことで、できる限り後々のトラブルを避けることができます。口約束だけでは、後で言った言わないのトラブルになる可能性があるので、必ず書面に残しましょう。また、養育費など継続的な支払いを受ける場合には、公正証書を作成することをおすすめします。
協議離婚が成立すれば、離婚届を役所に提出することで離婚が成立します。しかし、協議がまとまらない場合は、次の段階である離婚調停へと進まなければなりません。
(3)離婚調停
離婚調停は、家庭裁判所の調停委員を交えて、夫婦間の話し合いを進める手続きです。調停委員は、公平・中立的な立場で双方の意見を聞き、離婚の条件についての合意を目指します。調停では、感情的にならず、冷静に自身の主張の理由を説明し、理解してもらうことが重要です。
調停で合意が成立すれば、調停調書が作成されます。調停調書は、確定判決と同じ効力を持つため、養育費などの金銭支払いが滞った場合には強制執行をすることができます。
調停が不成立となった場合には、離婚訴訟を提起するかを検討することとなります。
(4)離婚訴訟
離婚訴訟は、家庭裁判所に訴訟を起こし、裁判官の判決によって離婚をすべきかどうかの判決を得るための手続きです。訴訟では、証拠に基づいて主張立証を行う必要があり、弁護士のサポートが不可欠と言ってよいかと考えます。離婚訴訟では、どうしても時間と費用がかかってしまいますが、相手と離婚の条件で合意を得られない場合には、踏み切らざるを得ません。ただ、どうしても精神的な負担は大きくなりますので、離婚訴訟を提起するタイミングは、弁護士とよく相談をされるべきです。
裁判では、離婚原因の有無のほか、離婚で決めるべき6項目(親権、面会交流、養育費、財産分与、慰謝料、年金分割)についても、申立てがあれば裁判官が判決を下します。判決には強制力があり、従わない場合は強制執行を受ける可能性があります。
離婚は、人生の一大事ですので、どのように進めるか、一人で悩まず、まずは専門家である弁護士に相談をしてほしいと思います。
-
3.離婚前に準備しておきたいこと
離婚は人生における大きな転機であり、準備不足で臨むと後々後悔する可能性があります。特に、離婚後の生活設計やお子さんがいる場合は慎重な準備が不可欠です。ここでは、離婚前に準備しておきたい重要なポイントを解説します。
(1)証拠集め
離婚の手続きによっては、離婚原因を証明する証拠が必要になります。特に、有責性のある離婚(不貞行為、DV、モラハラなど)を主張する場合、証拠の有無が結論に大きく影響します。証拠はできる限り客観的なものを集めたいところです。
ア 不貞行為の証拠
不貞行為の証拠としては、SNSやメールのやり取り、写真、動画、ホテルの領収書、目撃証言などが挙げられます。探偵に依頼する場合は、探偵業の届出がされているか確認すべきです。但し、探偵に依頼するには、思ったより費用がかかる可能性がありますので、日時や場所、費用の上限額を決めておくなど、注意が必要です。なお、当事務所で探偵事務所を紹介することも可能です。
イ DVの証拠
DVの証拠としては、診断書、怪我の写真、暴言を録音した音声データ、被害届、目撃証言などが挙げられます。DVを受けている場合は、我慢せずに速やかに警察や配偶者暴力相談支援センターに相談しましょう。また、不幸にもけがをしてしまった場合には、必ず病院を受診してください。
ウ モラハラの証拠
モラハラの証拠は、どうしても客観的な証拠に乏しく、証拠集めが難しいと言わざるを得ません。モラハラ発言が録音できる場合には、録音をした音声データは重要な証拠となります。また、モラハラ発言が、SNSやメールで行われる場合には、その記録を残しておいてください。日記も重要な証拠となり得ます。夫の発言がモラハラと感じた場合には、日記をつけておくべきです。具体的な日付や時間、状況などできる限り詳細に記録しておくことが大切です。
(2)財産分与の準備
財産分与とは、婚姻中に夫婦で築いた財産を離婚時に分割することです。預貯金、不動産、車、有価証券などが主だった対象ですが、金銭に換価できるものはすべて対象となると考えてよいです。できればメモでもいいので、財産を書き出し、それぞれの財産の価値を明確にしておくことが重要です。預貯金通帳のコピーや不動産の登記簿謄本などを準備しておきましょう。
なお、結婚前の財産や相続財産は、原則として財産分与の対象外となります。
(3)親権問題について
お子さんがいる場合、親権者を決めなければなりません。親権には、身上監護権(お子さんの生活環境を決める権利)と財産管理権(お子さんの財産を管理する権利)があります。どちらが親権者として相応しいか、お子さんの健やかな成長の 観点から十分に検討する必要があります。離婚後の生活環境、教育方針、経済状況などを考慮に入れ、お子さんにとって最良の選択をしましょう。
(4)養育費について
養育費は、お子さんが自立するまでにかかる費用を分担するものです。養育費の金額や支払方法について、事前にしっかりと話し合っておくことが大切です。裁判所の発表している「算定表」をもとに算定するのが一般的です。公正証書を作成することで、支払いが滞った場合に強制執行が可能になります。
-
4.離婚弁護士に相談するメリット
離婚は人生における大きな転換期であり、法律や手続き、感情的な問題など、様々な困難が伴います。そのような状況下で、離婚弁護士に相談することで得られるメリットは多岐に渡ります。専門家のサポートを受けることで、スムーズかつ有利に離婚を進めることができる可能性が高まります。
(1)専門的な知識とアドバイス
離婚には、財産分与、慰謝料、親権、養育費など、複雑な法的上の問題が絡み合います。法律の専門家である弁護士は、これらの問題について知識と経験を持っており、あなたの状況に合わせた適切なアドバイスを提供できます。法律の素人では見落としがちなポイントや、後々トラブルになりかねない要素についても、弁護士は的確に指摘し、解決策を提示できます。例えば、財産分与においては、預貯金や不動産だけでなく、退職金や企業年金といった一見見逃しがちな財産も対象となり得ます。弁護士は、何が財産分与の対象となるのか、そして対象となる財産を適切に評価し、公正な分配を実現するためのサポートを行います。
(2)交渉を有利に進める
離婚協議や調停では、相手方との交渉が必要になります。感情的な対立が生じやすい状況下で、冷静かつ論理的に交渉を進めることは容易ではありません。弁護士に依頼することで、あなたに代わりに交渉を代理してもらうことができます。弁護士は、法律に基づいた主張を行い、あなたの権利を守りながら、できる限り有利な条件での合意を目指します。また、相手方が弁護士を立てている場合には、あなたも弁護士に依頼することで、対等な立場で交渉を進めることができます。相手方弁護士の主張に対して、適切な反論や対応策を検討し、不利な条件を押し付けられることを防ぎます。
(3)精神的な負担の軽減
離婚問題は、精神的に大きな負担がかかるものです。一生に一度あるかないかの大きな出来事ですので、大きなプレッシャーを感じて当然です。相手方との話し合いや手続き、将来への不安など、様々なストレスに悩まされることもあります。弁護士に相談することで、これらの負担を軽減することができます。弁護士は、手続きの代行や相手方との交渉はもちろんのこと、あなたの悩みに寄り添い、精神的な支えとなることも期待できます。離婚問題に一人で向き合うのではなく、弁護士という味方を持つことで、安心して手続きを進めることができるはずです。
(4)手続きの迅速化
離婚手続(特に、調停や訴訟)では、様々な書類作成や提出、期日管理など、煩雑な作業が伴います。これらを個人で行う場合、慣れない手続きに時間と労力を要し、手続きが長期化する可能性があります。弁護士に依頼することで、これらの手続きを効率的に進めることができます。弁護士は、必要な書類を作成し、適切なタイミングで提出を行います。また、裁判所との連絡や期日管理なども代行してくれるため、あなたは本業や子育てなどに集中することができます。
(5)将来のトラブル回避
離婚協議や調停で合意が成立した場合、その内容は離婚協議書や調停調書が作成されます。これらの書類は、法的拘束力を持つ重要なものです。弁護士に依頼することで、将来のトラブルを未然に防ぐことができます。弁護士は、合意内容が法律に則っているか、将来トラブルになりうる要素がないかなどを確認し、必要に応じて修正を行います。協議離婚の場合には、公正証書を作成することで、合意内容の履行をより確実なものにすることができます。
以上のように、離婚弁護士に相談することで、様々なメリットを得ることができるはずです。離婚問題でお悩みの方は、一人で抱え込まず、まずは弁護士に相談することをお勧めします。当事務所では、初回無料相談を実施していますので、お気軽にご相談ください。
-
5.離婚相談の費用相場
離婚を考えている方にとって、弁護士への相談費用は気になるポイントと思われますので、以下で解説します。
弁護士費用は、一般的に「法律相談料」「着手金」「報酬金」の3つで構成されます。
(1)法律相談料
法律相談料は、弁護士に相談する際に発生する費用です。30分あたり5,000円~10,000円が相場といえます。当事務所は、初回1時間相談無料とさせていただいています。
(2)着手金
着手金は、弁護士に事件を依頼する際に支払う費用です。事件解決のために着手する際に発生するため、結果の如何に関わらず返金されません。
離婚事件における着手金の相場は、20万円~50万円程度といえます。
当事務所は、協議・調停の場合で30万円、訴訟の場合で50万円です(但し、協議・調停から訴訟に移行した場合は、差額の20万円のみとなります。いずれも消費税別、以下同様です。)。
離婚調停の際には、付随的申立て(婚姻費用や面会交流など)もあわせて申し立てられる場合が多いですが、当事務所は、離婚のご依頼をいただいた場合、付随的申立てについては、離婚の着手金に含ませてもらっており、原則、追加着手金は頂戴しておりません。もっとも、婚姻費用の調停が不成立に終わり、審判移行してしまった場合のみ、追加着手金10万円をお願いしております。
(3)報酬金
報酬金は、事件が解決した際にお支払いただく費用です。
離婚事件における報酬金の相場は、経済的利益(財産分与や慰謝料など)の5%~15%程度です。例えば、財産分与で1,000万円を受け取った場合、報酬金は50万円~150万円となります。当事務所は、離婚の成立に関し、着手金と同額、それにプラスして、経済的利益が発生した場合には、その10%を報酬金として頂戴しております。
詳しくは、当事務所の料金表をご覧ください。
-
6.離婚にあたってのよくある質問
離婚に関しては、ご自身の状況によって様々な疑問があると思います。当事務所では、比較的詳細なQ&Aページを作成しておりますので、ぜひこちらをご覧ください。
Q&Aページでは解決しない場合や、さらに詳しく説明を聞きたい場合には、ご遠慮なく当事務所へお問い合わせください。当事務所は初回1時間相談無料にさせていただいております。一人で悩まずに、ぜひご相談ください。
-
7.まとめ
この記事では、「夫と離婚したい」と悩んでいる女性に向けて、離婚の種類、進め方、準備すべきこと、弁護士に相談するメリットなどを解説しました。まずは、ご自身の状況を冷静に整理し、現状を把握し、気持ちの整理をすることが重要です。
離婚前に準備しておきたいことは、証拠集め、財産分与の準備、親権・養育費についてです。特に、不貞行為やDV、モラハラなどを相手が争ってくる場合には、証拠の収集が重要です。財産分与や親権、養育費についても、事前にしっかりと準備しておくことで、後々のトラブルをできる限り避けることができます。
離婚問題は、精神的にも肉体的にも大きな負担がかかります。弁護士に相談することで、専門的な知識とアドバイスを得られるだけでなく、交渉を有利に進めたり、精神的な負担を軽減したりすることができます。一人で悩まず、まずは専門家である弁護士に相談することをおすすめします。そして、当事務所が、離婚を考えている女性の少しでもお役に立てれば幸いです。