【事案の概要】 ■離婚/慰謝料の別:離婚 ■理由:長期間の別居 ■依頼者:性別:女性 年代:50代 職業:派遣社員...
婚姻費用
Ⅰ 婚姻費用とは
婚姻費用とは、夫婦と未成熟子によって構成される家族が、その資産や収入に応じた通常の社会生活を維持するのに必要な費用をいいます。簡単に言えば、日常の生活費のことで、衣食住の費用のほか、子の教育に関する費用、医療費およびその家族の社会的地位にふさわしい娯楽費、交際費等も含まれます。
夫婦が離婚の前段階として別居した場合であっても、離婚が成立するまでは婚姻関係がある以上、夫婦にはお互いを扶養する義務があり、基本的に収入の高いほうの夫または妻が配偶者に対して支払う必要があります。
また、内縁の場合も婚姻費用の分担を請求することができます。
Ⅱ 婚姻費用の目安
婚姻費用の金額については、裁判所が一定の算定表を設けており、その基準が参考になります。
例えば、夫の年収500万円、妻の年収100万円、0歳から14歳の間の子どもが2人いる家族の場合は、夫から妻に対して月額8万円~10万円の婚姻費用が妥当な金額となります。
Ⅲ 婚姻費用を支払ってもらえない場合
別居中に夫から婚姻費用を支払ってもらえない場合、家庭裁判所に対して、婚姻費用分担の調停を申し立てることになります。この調停は離婚の調停とともに申し立てられ、同時に話し合いが行われることが一般的です。
この婚姻費用分担の調停において、夫婦間の合意ができず、調停が不成立で終わる場合は、審判の手続きに移行し、最終的には裁判官が婚姻費用の金額を決定することとなります。
この審判で決定される金額は、裁判所が用意している算定表に基づく金額となるケースが圧倒的に多いです。
なお、この審判に対する不服申立は高等裁判所にする即時抗告です。
Ⅳ 婚姻費用の始期
婚姻費用の金額が審判で決まったとき、どこの時点まで遡れるのかという問題点があるが、実務上は調停の申立てのときに遡って支払うという考え方が定着しています。ですので、別居後、婚姻費用を支払ってもらえていないケースでは、なるべく早期に婚姻費用分担の調停を申し立て、始期を確定しておく必要があります。
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