【事案の概要】 ■離婚/慰謝料の別離婚 ■理由性格の不一致、家族との折り合い ■依頼者性別:男性年代:20代職業:...
調停離婚とは?協議離婚や裁判離婚との違いや流れについて弁護士が解説!
離婚を切り出そうとお考えの方へ
この記事では調停離婚の基礎知識から、弁護士に依頼するメリット・デメリット、依頼すべきタイミング、弁護士選びのポイントまでを網羅的に解説します。
調停離婚は、家庭裁判所の調停委員を介して夫婦の話し合いを進め、合意によって離婚を成立させる手続きです。
弁護士に依頼することで、冷静な判断のもと、あなたにとって有利な条件で離婚できる可能性が高まります。また、精神的な負担や手続きの煩雑さを軽減できるのも大きなメリットです。
1 調停離婚とは
⑴ 調停離婚の定義
夫婦間で離婚の合意ができない場合、家庭裁判所に調停を申し立て、調停委員という第三者を介して話し合いを進め、離婚成立を目指す手続きが調停離婚です。
訴訟のように白黒つける場ではなく、あくまでも話し合いによる解決を目指す場であることが特徴です。裁判のような争訟ではなく、合意による解決を促す手続きであるため、当事者間の関係悪化を最小限に抑えながら、より円満な解決を図ることが期待できます。
⑵ 調停離婚の基礎知識
調停離婚は、離婚協議、離婚調停、離婚訴訟といった離婚手続きの一つです。協議離婚で合意に至らなかった場合に利用されることが多く、家庭裁判所という公的機関が介入することで、より客観的かつ公平な立場で話し合いを進めることが可能となります。調停では、調停委員が夫婦双方の主張を聞き、妥協点を探りながら合意形成を支援します。調停離婚は、離婚届とは異なり、成立した時点で法的効力を持ち、離婚が成立します。
調停離婚では、離婚そのものだけでなく、親権、養育費、面会交流、財産分与といった関連事項についても話し合うことができます。これらをまとめて解決できる点が調停離婚の大きなメリットです。また、調停の内容は、当事者間で合意に至った場合に限り、調停調書として作成されます。調停調書は、確定判決と同じ効力を持つため、後に反故にされる心配もありません。
⑶ 調停離婚の流れ
◯ 調停の申し立て
↓ 夫婦のどちらか一方が、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に調停を申し立てる。必要な書類を揃え、申立書を作成する。
◯ 第一回調停期日
↓ 調停委員が夫婦それぞれから事情を聴取する。自分の主張を整理し、冷静に説明することが重要。
◯ 第二回調停期日以降
↓ 数週間~数ヶ月おきに調停期日が設定され、話し合いが続けられる。調停委員の助言を参考に、妥協点を探る努力が必要。
◯ 調停成立/不成立
↓ 合意に至れば調停成立、合意に至らなければ調停不成立となる。調停成立の場合は、調停調書が作成される。
◯ 調停成立後の手続き(調停成立の場合)
↓ 調停調書に基づき、離婚届を市区町村役場に提出する。調停成立から10日以内に、申立人が離婚届を提出する必要がある。
調停は、通常1回あたり2時間程度で、数週間~数ヶ月おきに開催されます。調停が成立するまでの期間は、事案の複雑さや当事者間の対立の程度によって大きく異なり、数ヶ月から1年以上かかる場合もあります。調停不成立となった場合は、離婚訴訟を起こすことができます。
2 弁護士に調停離婚を依頼するメリット・デメリット
⑴ メリット
調停離婚という人生の大きな転機において、弁護士に依頼するメリットは多岐に渡ります。専門家のサポートを受けることで、精神的な負担を軽減するだけでなく、手続きもスムーズに進み、より良い結果を得られる可能性が高まります。具体的には、以下の7つのメリットが挙げられます。
ア 有利な条件で離婚できる可能性が高まる
弁護士は、法律の専門家として、あなたの権利を守り、有利な条件で離婚が成立するように交渉を進めてくれます。財産分与、慰謝料、養育費、親権など、様々な争点において、法律に基づいた適切な主張を行い、相手方との合意形成をサポートします。
特に、相手方が弁護士を付けている場合、あなた自身で交渉を進めるのは困難なケースも多く、弁護士の存在は大きな力となります。相手方の主張が不当な場合でも、弁護士は冷静に法的根拠に基づいて反論し、あなたの権利を最大限に守ってくれます。
イ 財産分与
婚姻中に築いた財産は、原則として夫婦で半分ずつ分け合うことになります。弁護士は、預貯金、不動産、株式など、あらゆる財産の調査を行い、適正な財産分与が実現するように尽力します。隠された財産についても、発見できる可能性が高まります。
ウ 慰謝料
不貞行為、DV、モラハラなど、相手方に離婚原因がある場合、慰謝料を請求することができます。精神的な苦痛に対する慰謝料請求は、立証が難しい場合もありますが、弁護士は証拠収集や主張立証をサポートし、あなたの権利の実現を支援します。
エ 養育費・親権
お子様がいる場合、養育費や親権についても重要な争点となります。弁護士は、お子様の福祉を最優先に考え、適切な養育費の金額や親権者の決定をサポートします。
面会交流についても、お子様にとって最善の方法を提案し、合意形成を目指します。相手方との交渉が難航する場合でも、弁護士が間に入ることで、冷静な話し合いを進めることができます。
オ 精神的な負担を軽減できる
離婚問題は、精神的に大きな負担がかかるものです。弁護士に依頼することで、手続きや交渉を任せることができ、精神的な負担を軽減できます。
相手方との直接的なやり取りを弁護士に代行してもらうことで、感情的な対立を避け、冷静さを保つことができます。また、弁護士は、あなたの不安や悩みに寄り添い、精神的なサポートも提供してくれます。
カ 手続きがスムーズに進む
調停離婚の手続きは、複雑で時間のかかるものです。弁護士は、必要な書類の作成や提出、裁判所との連絡などを代行し、手続きをスムーズに進めてくれます。
法律の専門家として、手続上のミスや遅延を防ぎ、効率的に離婚を成立させることができます。また、調停委員との交渉も弁護士が行うため、あなたが出廷する回数を減らすことも可能です。
キ 将来のトラブルを防げる
調停調書の内容が曖昧であったり、不十分であったりすると、将来トラブルが発生する可能性があります。弁護士に依頼することで、調停調書の内容を明確にし、将来のトラブルを未然に防ぐことができます。
⑵ デメリット
弁護士に調停離婚を依頼するメリットは多いですが、デメリットも存在します。依頼前にしっかりと理解しておきましょう。
ア 費用がかかる
弁護士に依頼する上で最も大きなデメリットは費用がかかることです。着手金、報酬金、日当、交通費など、様々な費用が発生します。
費用は弁護士や事案の複雑さによって異なりますが、数十万円かかることも珍しくありません。費用の相場は、着手金で20万円~50万円、報酬金で解決金額の10%~20%程度です。また、調停の回数が増えれば、その分費用も増加します。
イ 必ずしも希望通りの結果が得られるとは限らない
弁護士に依頼すれば必ず希望通りの結果が得られるとは限りません。調停は、あくまでも当事者同士の話し合いによって解決を目指す手続きです。
弁護士は依頼者の代理人として最善を尽くしますが、最終的な決定権は裁判官にあるため、必ずしも依頼者の希望が通るとは限りません。
特に、慰謝料や養育費、財産分与など金銭的な条件については、法律や判例に基づいて決められるため、希望額が満額認められるとは限りません。また、親権についても、子供の福祉を最優先に考えられるため、必ずしも希望通りになるとは限りません。弁護士に依頼することで、有利な条件で離婚できる可能性は高まりますが、絶対的な保証はないことを理解しておく必要があります。
3 調停離婚で弁護士に依頼すべきタイミング
調停離婚において、弁護士への依頼は必須ではありませんが、依頼することで様々なメリットがあります。とはいえ、どのようなタイミングで依頼するのが最適なのでしょうか。
以下の状況に当てはまる方は、弁護士への依頼を検討するタイミングと言えるでしょう。
⑴ 離婚の意思が固まった時
離婚の意思が固まった時点で弁護士に相談することで、今後の手続きの流れや必要な準備、想定される結果について具体的なアドバイスを受けることができます。
早い段階で弁護士に相談することで、冷静に状況を整理し、よりスムーズに手続きを進めることができるでしょう。また、相手との交渉前に弁護士に相談することで、自分に有利な条件で離婚協議を進めるための戦略を立てることも可能です。
⑵ 相手と話がまとまらない時
離婚協議を進める中で、相手と条件面で折り合いがつかない場合、弁護士に依頼することで、交渉を有利に進めることができます。
弁護士は法律の専門家として、あなたの主張を法的根拠に基づいて相手に伝え、妥協点を探るための交渉を行います。また、相手がすでに弁護士を立てている場合、あなたも弁護士を立てることで、対等な立場で交渉を進めることができます。
⑶ 相手が弁護士を立てている場合
相手がすでに弁護士を立てている場合、法律の専門家ではないあなたが単独で交渉を進めるのは非常に困難です。相手が弁護士を立てている場合は、あなたも弁護士に依頼することで、専門的な知識と経験に基づいたサポートを受けることができます。
これにより、不利な条件で離婚を成立させられるリスクを回避し、あなたの権利を守ることができます。
⑷ DVやモラハラを受けている時
配偶者からDVやモラハラを受けている場合、精神的に追い詰められて冷静な判断が難しくなっていることがあります。このような状況では、弁護士に依頼することで、あなたに代わって相手との交渉や手続きを進めてもらうことができます。
弁護士は、あなたの安全を確保しながら、離婚成立に向けて必要な措置を講じてくれます。また、DVやモラハラによる慰謝料請求についても、適切なアドバイスとサポートを受けることができます。
また、DVやモラハラを受けている場合、証拠集めが非常に重要になります。弁護士に相談することで、どのような証拠が必要となるか、どのように証拠を集めれば良いかについてアドバイスを受けることができます。例えば、診断書、写真、動画、音声記録、メール、LINEの履歴などが証拠として有効となる場合があります。
⑸ 複雑な財産分与がある時
不動産や株式など、複雑な財産分与が発生する場合、弁護士に依頼することで、適正な財産分与を実現することができます。弁護士は、財産の評価や分割方法について専門的な知識を持ち、あなたにとって最も有利な結果となるよう交渉を行います。また、財産隠しなどの不正行為にも対応できます。
⑹ 親権問題で争いがある時
子供の親権について争いがある場合、弁護士に依頼することで、あなたの希望が叶う可能性が高まります。弁護士は、親権者の決定基準となる様々な要素(子供の年齢、環境、両親の経済状況など)を考慮し、あなたにとって最良の結果となるよう交渉や手続きを進めてくれます。
5 調停離婚を弁護士に依頼する際のポイント
調停離婚を弁護士に依頼する際には、いくつかのポイントを押さえることで、よりスムーズに進めることができます。事前の準備と弁護士との良好な関係構築が、成功の鍵を握っていると言えるでしょう。
⑴ 専門性と経験
離婚問題に精通した弁護士を選ぶことが大切です。家事事件を専門とする弁護士は、豊富な知識と経験に基づいて、依頼者に最適なアドバイスを提供してくれます。
弁護士のホームページなどで、過去の解決事例などを確認することで、専門性や経験をある程度判断することができます。特に、財産分与や慰謝料請求、親権問題など、複雑な案件を多く扱っている弁護士であれば、より安心して依頼できるでしょう。
⑵ 相性
弁護士との相性も重要なポイントです。信頼関係を築ける弁護士を選ぶことで、スムーズなコミュニケーションを取りながら、安心して手続きを進めることができます。
初回相談時に、弁護士の人柄や対応などをよく観察し、自分と相性が良いと感じられるかどうかを判断しましょう。疑問点や不安な点を気軽に相談できる雰囲気かどうかなども重要なポイントです。
6 調停離婚に関するよくある質問
⑴ 調停離婚の期間はどのくらい?
調停離婚の期間は、事案の複雑さや当事者の協力度合いによって大きく異なります。平均的には3ヶ月~6ヶ月程度かかると言われていますが、1年以上に及ぶケースも珍しくありません。
当事者同士の話し合いがスムーズに進めば早期に解決することもありますが、逆に、争点が多く、お互いの主張が対立している場合には長期化する傾向があります。
また、調停の期日は1ヶ月に1回程度開催されることが一般的です。
⑵ 調停で離婚が成立しなかった場合は?
調停で離婚が成立しなかった場合は、「調停不成立」となり、調停は終了します。その後、離婚を希望する場合は、家庭裁判所に離婚訴訟を提起することになります。
訴訟では、裁判官が証拠に基づいて判断し、判決を下します。調停で話し合いがまとまらなかったとしても、訴訟になれば必ず離婚が認められるとは限りません。
裁判官が離婚事由に該当しないと判断すれば、離婚は認められません。また、調停不成立となった場合でも、改めて話し合いをして、協議離婚をすることも可能です。
⑶ 夫婦の一方が調停に出頭しない場合はどうなる?
夫婦の一方が調停に出頭しない場合、調停は成立しません。相手方が正当な理由なく出頭しない場合は、数回の出頭勧告を経て、最終的には調停不成立となる可能性が高いです。
ただし、相手方が病気や海外出張などの正当な理由で出頭できない場合は、期日の変更などを検討することができます。弁護士に相談することで、適切な対応を取ることができます。
⑷ 相手がDV・モラハラをしている場合の調停はどうなる?
相手がDV・モラハラをしている場合は、調停委員にその事実を伝え、安全な環境で調停を進めてもらうことが重要です。調停委員は、DV・モラハラ被害者を守るために、別室での待機や、代理人を通じてのやり取りなどを配慮してくれます。
また、DV・モラハラの証拠を提出することで、離婚や慰謝料請求において有利になる可能性があります。証拠としては、診断書、警察への相談記録、写真、動画、メール、LINEの履歴などが有効です。
7 まとめ
この記事では、調停離婚に弁護士を依頼するメリット・デメリット、依頼すべきタイミングとポイントについて解説しました。調停離婚とは、家庭裁判所の調停委員を介して夫婦の話し合いを進め、離婚の合意を目指す手続きです。
弁護士に依頼することで、有利な条件で離婚できる可能性が高まり、精神的な負担を軽減し、手続きをスムーズに進めることができます。また、将来のトラブルを未然に防ぐ効果も期待できます。
弁護士に依頼すべきタイミングは、離婚の意思が固まった時、相手と話がまとまらない時、相手から弁護士を立てられた時、DVやモラハラを受けている時などです。
調停離婚は、弁護士のサポートを受けることで、よりスムーズかつ有利に進めることができます。この記事が、読者の皆様の調停離婚における意思決定の一助となれば幸いです。