【事案の概要】 ■離婚/慰謝料の別離婚 ■理由性格の不一致、家族との折り合い ■依頼者性別:男性年代:20代職業:...
モラハラをしてくる夫と離婚するには?モラハラ離婚の進め方と注意点を弁護士が解説
モラハラでお困りの方へ
モラハラを受けている、そして離婚を考えている皆様へ。
苦しい状況の中で、どうすれば良いのか分からず、途方に暮れているかもしれません。
この記事では、モラハラとは何か、モラハラが離婚原因になる理由、そしてモラハラ夫との離婚の具体的な進め方、注意点、離婚後の生活設計まで、弁護士が分かりやすく解説します。
証拠集めの重要性や別居の検討、離婚相談窓口の活用方法など、モラハラ離婚に必要な情報を網羅的に提供することで、あなたが安全に離婚を進め、新たな人生を歩み出すためのお手伝いをします。
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1.モラハラとは何か?
モラハラとは、「モラルハラスメント」の略称で、精神的な暴力や嫌がらせによって、相手の人格や尊厳を傷つけ、精神的な苦痛を与える行為を指します。
肉体的な暴力とは異なり、目に見えにくいことから、被害を受けていることに気づきにくい場合もあります。自分が悪いと、反対に自分を責めてしまう方もいます。長期間にわたってモラハラを受け続けると、被害者の自尊心は著しく低下し、うつ病などの精神疾患を発症する可能性もあります。モラハラは早期の発見と適切な対処が重要です。
1.1モラハラの種類と具体例
モラハラは様々な形態で現れます。代表的な種類と具体例を以下に示します。
言葉によるモラハラ
暴言や侮辱、人格否定など、言葉によって相手を傷つける行為です。日常的に繰り返されることで、被害者の精神を深く傷つけます。
・「お前はバカだ」「役立たずだ」などの人格を否定する発言
・「誰のおかげで生活できていると思っているんだ」など、経済力や社会的地位を利用した発言
・必要以上に大きな声で話す、ため息をつくといった行為
態度によるモラハラ
言葉だけでなく、態度によってもモラハラは行われます。無視や威圧的な態度、過剰な束縛などもモラハラに該当します。言葉によるモラハラと同様に、被害者の精神に大きな負担をかけます。
・無視、睨みつける
・外出を制限する
・交友関係を制限する
・常に行動を監視する
・携帯電話をチェックする
経済的なモラハラ
経済的な支配や制限を通じて、相手を精神的に追い詰める行為です。生活費を渡さない、就労を妨害するなども経済的モラハラに該当します。経済的な自立を阻害することで、被害者を支配下に置こうとする行為です。
・生活費を渡さない、極端に少ない金額しか渡さない
・就労を妨害する
・退職を強要する
・家計を管理させない
・お金の使い方を細かくチェックする
以上に当てはまると感じた方は、親族や友人でもいいので、自分以外の第三者に相談するべきです。
1.2モラハラが離婚原因になる理由
モラハラは、民法770条第1項第5号に規定されている「婚姻を継続し難い重大な事由」に該当し得ます。モラハラは、立派な離婚原因です。長期間にわたるモラハラは、被害者の精神に深刻なダメージを与え、婚姻生活を継続することを困難にします。裁判においては、モラハラの事実を立証することが重要となります。
【モラハラの証拠の具体例】
証拠 |
具体例 |
日記 |
モラハラを受けた日時、内容、その時の自分の気持ちも記録する |
録音 |
ICレコーダーなどでモラハラ発言を録音する |
メール・SNS |
相手のモラハラ発言の記録を保存しておく |
役所などの相談記録 |
役所などにDV相談をしている場合、相談記録を情報開示してもらうことが可能 |
診断書 |
モラハラによる精神的なダメージを受けていることを証明する証拠となる |
証言 |
家族や友人など、モラハラを目撃した人の証言 |
録音やメール・SNSといった客観的な証拠をできる限り集めたいですが、そのような証拠がなくてもあきらめないでください。
詳細な日記も重要な証拠となります。役所での相談記録や診断書なども有力な証拠になりますし、第三者の証言も証拠となります。
モラハラでは第三者にきちんと相談することが重要であることがわかっていただけると思います。
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2.モラハラ夫との離婚の進め方
モラハラを受けている状況下で、離婚に向けてどのように進めていけば良いのか、具体的なステップと準備について解説します。精神的にも肉体的にも辛い状況にあると思いますが、一歩ずつ着実に進めていきましょう。
2.1モラハラ離婚に向けた準備
離婚を有利に進めるためには、事前の準備が非常に重要です。特にモラハラの場合は、どうしても家の中で行われることが多く、その立証が難しい場合が多いため、綿密な準備が必要です。
証拠集めの重要性(音声録音、メール・SNSの保存など)
モラハラは目に見える暴力ではないため、その存在を証明するのが難しい場合があります。そのため、証拠集めは非常に重要です。
モラハラ発言の音声録音、メール・SNSのやり取り、日記などは有力な証拠となります。日付や時間、状況なども、できる限り記録しておきましょう。日記の場合、モラハラを受けた時の自分の様子や気持ち(体調の変化、精神的なダメージなど)も記録しておくべきです。
証拠の種類 |
具体的な内容 |
注意点 |
音声録音 |
モラハラ発言、暴言、脅迫などの記録 |
携帯のICレコーダーアプリなどを活用。決して無理はしない。身の安全を優先。 |
メール・SNS |
モラハラ発言、人格否定、脅迫などの記録 |
スクリーンショットを撮り、必ずデータのバックアップを取る。 |
日記 |
モラハラを受けた日時、内容、自身の心身への影響などを記録 |
事実を客観的に記述するのが第一だが、その時の気持ちや体調の変化などもできる限り詳細に記載する。 |
写真・動画 |
暴言を吐いている様子、物を投げている様子、暴力を受けた際は怪我の様子など |
無理をせず、身の安全を第一に考える。 |
診断書 |
モラハラによる精神的ダメージの診断書 |
心療内科、精神科を受診し、診断書を発行してもらう。 |
別居の検討と注意点
モラハラ離婚の場合は、身の安全の確保や、精神的ダメージ・ストレスの軽減のため、別居を検討することも重要です。
別居する際、相手の同意を得ずに家を出ると、後でそのことを強く非難・主張される場合があります。
確かに、できる限り話し合いをし、事前に相手に伝えた上で、別居するのがベターですが、それをすることにより、さらなるモラハラを生じさせ、メンタルに不調をきたし、体調を崩してしまう危険も大いにあり得ます。
そのような危険性が高い場合には、事前に相手に伝えずに別居することも選択肢の一つとすべきです。そのような選択にならざるを得ない場合には、事前に弁護士に相談してほしいと思います。専門家である弁護士が味方に付くだけでも安心できるはずです。
なお、別居中の生活費(婚姻費用)についても、弁護士を通じて請求することができます。別居後の費用の心配をして別居を躊躇されている方は、是非弁護士にご相談ください。
離婚相談窓口の活用(弁護士、自治体相談窓口など)
離婚に関する悩みや疑問は、一人で抱え込まずに、第三者、できる限り専門家に相談することが大切です。弁護士や自治体の相談窓口などを活用し、適切なアドバイスを受けましょう。当事務所は、離婚に関しては初回無料で法律相談を受け付けておりますので、ご遠慮なくご連絡ください。
2.2具体的な進め方
モラハラ離婚は、一般的に以下の手順で進められます。
離婚協議
まずは夫婦間で話し合い、離婚の可否、条件(親権、養育費、財産分与など)を決めます。モラハラ夫と直接話し合いが難しい場合は、弁護士を代理人として交渉を進めることができます。
離婚調停
離婚協議で合意に至らなかった場合は、家庭裁判所に離婚調停を申し立てます。調停委員が間に入り、夫婦間の合意形成を支援します。調停でも合意できない場合は、次の離婚訴訟へと進みます。
離婚訴訟
調停で合意に至らなかった場合は、家庭裁判所に離婚訴訟を提起しなければなりません。裁判官が証拠に基づき、離婚の可否や条件を判断します。離婚訴訟においてこそ、証拠が重要になります。
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3.モラハラ離婚における注意点
モラハラ離婚は、ただでさえモラハラに苦しんできた挙句に、その加害者に離婚を切り出さなければならず、どうしても精神的な負担が大きくなってしまいます。
安全かつスムーズに離婚を進めるために、以下の注意点に留意することが重要です。
3.1モラハラ夫との直接的な接触はできる限り避ける
モラハラ加害者である夫との直接的な交渉は、更なるモラハラ被害につながる可能性があります。可能な限り、弁護士などの第三者を介してコミュニケーションをとるようにしてください。直接の接触が避けられない場合は、勇気を振り絞って、事前にICレコーダーなどで会話を録音する旨伝え、証拠を残しておくことが大切です。
録音することでモラハラを抑制できる可能性がありますし、仮にモラハラをされた場合には、後の証拠とすることもできます。もちろん動画でも構いません。
また、友人や家族に同席してもらうことで、精神的な負担を軽減し、安全を確保することが考えられます。
3.2精神的なケアの重要性
モラハラによる精神的なダメージは深刻な場合があります。
離婚手続中はもちろんのこと、離婚後も継続的なケアが必要となる場合があります。信頼できる友人や家族に相談する、専門機関(精神科医、カウンセラー、自治体の相談窓口など)のサポートを受けるなど、自分に合った方法で心のケアを行いましょう。一人で抱え込まず、周りの人に助けを求めることが大切です。
相談窓口の例
相談窓口 |
連絡先 |
概要 |
DV相談ナビ |
#8008 |
最寄りの相談窓口(配偶者暴力相談支援センター)へ繋いでくれます |
よりそい ホットライン |
TEL:0120-279-338 HP:よりそいホットライン |
24時間対応の電話相談窓口 |
3.3お子さんのケア
お子さんがいる場合は、離婚によるお子さんへの影響を最小限に抑えるよう考えてあげたいところです。
お子さんにとって、両親の離婚は大きなストレスとなる可能性があります。年齢や発達段階に応じて、離婚について丁寧に説明することが重要です。
また、お子さんにも精神的なケアが必要と感じた場合は、専門機関に相談してください。親権や面会交流についても、子どもの福祉(健全な成長)を最優先に考えて決定することが大切です。
お子さんへの影響をできる限り小さくするためのポイント
・お子さんを夫婦間の争いに巻き込まない
・離婚後も、お子さんと良好な関係を築く努力をする
・お子さんの意見をよく聞いて、安心感を与える
これらの注意点を踏まえ、安全で安心できる離婚を実現するために、専門家のアドバイスを受けながら手続きを進めることをおすすめします。
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4.離婚後の生活設計
モラハラ夫との離婚(もしくは別居)が成立した後、新しい生活を始めるにあたっては、様々な準備と計画が必要です。精神的な負担が大きい時期だからこそ、落ち着いて一つずつ解決していくことが大切です。具体的な生活設計のポイントは以下の通りです。
4.1住居の確保
離婚後の住居は、生活の基盤となる重要な要素です。まずは現在の住居にそのまま住み続けるか、新しい住居を探すかを検討しましょう。
現在の住居に住み続ける場合、相手に出て行ってもらう必要がありますが、相手が応じない場合はこちらが別居を選択せざるを得ない場合も考えられます。
新しい住居を探す場合は、予算、通勤・通学の利便性、周辺環境などを考慮し、慎重に選びましょう。公営住宅や母子家庭向け住宅といった選択肢も検討すべきです。可能であれば、ご両親などの援助を受けることも検討してください。
4.2生活費の確保
別居後や離婚後の生活費をどのように確保するかは、非常に重要な問題です。
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就労収入(給与等)
きちんと仕事をしてご自身の収入を得ていくことが基本です。
小さいお子さんがいる場合など、どうしてもパートやアルバイトにならざるを得ない場合などは、ご両親の援助や、公的支援なども検討してください。
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婚姻費用・養育費
別居した場合、離婚が成立するまでの生活費として、婚姻費用を相手に請求することができます。婚姻費用は、離婚が成立するまでしか請求できませんが、お子さんがいる場合は、離婚後でも相手に養育費を請求できます。
これらの金額は、裁判所の算定表に従って決定されるのが一般的です。
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公的支援
児童扶養手当、住居確保給付金など、様々な公的支援制度があります。自治体の窓口で事前に要件を確認しておきたいところです。
最終の手段かもしれませんが、生活保護の受給も視野に入れる必要があるかもしれません。
4.3お子さんの養育
お子さんがいる場合、離婚後の親権者を決め、養育費の支払いについて合意する必要があります。親権は、子どもの福祉(健やかな成長)を最優先に考えて決定されなければなりません。面会交流の方法についても、お子さんの年齢や状況に合わせて話し合いましょう。
離婚はお子さんにとっても大きな変化であり、精神的な負担がかかる可能性があります。お子さんの話に耳を傾け、不安や悩みに寄り添うことが大切です。必要に応じて、専門機関のサポートも検討しましょう。
離婚後の生活は、不安や困難が伴うこともありますが、新たなスタートでもあります。しっかりと計画を立て、周囲のサポートも得ながら、前向きに進んでください。お母さんが毎日を笑顔で過ごすことができるようになれば、お子さんにとって、その時は離婚がつらい経験になったとしても、きっと将来正しい選択であったと理解してくれるはずです。
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5.モラハラ離婚を弁護士に依頼するメリット
モラハラ離婚は、ただでさえモラハラに苦しんできたにもかかわらず、さらにその加害者である相手に離婚を切り出すことになるため、精神的な負担は計り知れません。
弁護士に依頼することで、様々なメリットを得られます。専門家のサポートを受けることで、スムーズにできる限り負担を少なく離婚を進めることが可能になります。
5.1弁護士に依頼するメリット
モラハラ離婚において、弁護士に依頼するメリットは様々ですが、以下のとおりです。
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精神的な負担の軽減
モラハラ加害者との直接的な接触を避け、弁護士が代理人として交渉や手続きを進めてくれます。これにより、精神的な負担を軽減し、冷静な判断を保つことができます。
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適切な条件での離婚成立
法律の専門家である弁護士は、依頼者の権利を守り、慰謝料請求や財産分与、養育費などにおいて、適切な条件での離婚成立を目指します。
過去の判例や法律、多くの離婚事件を通じた経験に裏付けされた方針を立てることで、依頼者にとって最善の結果を導き出します。
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手続きの円滑な進行
離婚協議、離婚調停、離婚訴訟など、法律的な知識が必要となる複雑な手続きを弁護士が代行します。
必要書類の作成や提出、裁判所とのやり取りなどもスムーズに進められ、時間と労力を節約できます。
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証拠収集のサポート
モラハラは、相手がその事実を強く争ってくることがあります。その場合、モラハラを立証するための証拠収集は重要です。予め弁護士に相談することで、弁護士は、音声録音やメール、LINEの履歴など、モラハラの立証に必要な証拠を選別し、適切な証拠収集・保全の方法をアドバイスします。
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お子さんの権利保護
お子さんがいる場合、親権や養育費、面会交流など、お子さんの利益を守るための交渉を弁護士が行います。子どもの福祉(健全な成長)を最優先に考え、適切な解決策を提案します。
5.2弁護士選びのポイント
モラハラ離婚に強い弁護士を選ぶことは、モラハラ離婚を進める上で非常に重要です。以下のポイントを参考に、信頼できる弁護士を選んでください。
実績と経験
モラハラ離婚の案件を多く扱っている弁護士は、経験に基づいた的確なアドバイスとサポートを提供できます。弁護士のウェブサイトや相談時に、過去の相談件数などを確認すると良いでしょう。
相談時の対応
モラハラ離婚を進めるのは、大きな精神的な負担となります。そのため、依頼する弁護士との相性は重要です。親身になって話を聞いてくれるか、相談しやすい雰囲気か、などといった点も大事ですが、もっとも大事なのは、ご自身の質問をきちんと理解し、その質問の核心からズレずに、ストレートに回答してくれているかどうかだと考えます。
また、離婚事件においては、案件をこなした経験も重視すべきです。相談した事務所で扱った経験談などを交えて話をしてくれているかどうかも判断のポイントになるかと思います。
費用体系の明確さ
弁護士費用は、着手金、報酬金、実費など、様々な費用が発生します。弁護士に依頼する前に、費用体系について明確な説明を受け、納得した上で契約を結びましょう。
弁護士に依頼することで、精神的な負担を軽減し、法的な知識に基づいたサポートを受けることができます。
モラハラ離婚でお悩みの方は、一人で抱え込まず、まずは弁護士に相談してください。
当事務所は離婚については初回相談1時間無料とさせていただいております。相談だけでも結構ですので、少しでもモラハラではないかと感じたら、当事務所へご連絡ください。
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6.まとめ
モラハラ離婚は、非常に大きな精神的なストレスを伴う難しいプロセスです。この記事では、モラハラの種類、離婚原因となる理由、具体的な進め方、注意点、離婚後の生活設計、弁護士に依頼するメリットなどを解説しました。
モラハラ離婚においては、証拠集めが非常に重要です。
音声録音やメール、LINEの履歴などを保存しておきましょう。
また、別居を視野に入れることも重要ですが、注意点も存在します。精神的な負担が大きいため、弁護士や自治体の相談窓口などを活用し、専門家のサポートを受けることが大切です。離婚後の生活設計も考えておくことも重要です。
住居や生活費の確保、お子さんの養育について事前に考えておく必要があります。弁護士に依頼することで、法的知識や経験に基づいたサポートを受け、適切にモラハラ離婚を進めることができます。まずは、当事務所の無料相談にご連絡ください。
きっとあなたのチカラになれるはずです。一人で悩まず、弁護士の力を借りながら、新たな人生の一歩を踏み出しましょう。