■目次 1. 離婚協議書とは 2. 離婚協議書に記載すべき内容 3. 離婚協議書を作成する流れ 4. 離婚協議書...
不倫夫と不倫相手双方から慰謝料を勝ち取った事案
【事案の概要】
依頼者:妻 30代 専業主婦
夫 30代 会社員
実子1人
夫が幼馴染と会うと言って夜に出掛ける頻度が多くなったため、妻は不審に思い、SNSをチェックしたところ、不倫が発覚した。妻は、不倫の発覚後、子どもを連れて自宅を出て実家に戻った。夫は、当初実家に謝りに訪れ自宅に戻るように説得をしてきた。妻は、気持ちを整理する時間が欲しいと言い、すぐには自宅には戻らなかった。夫は、別居当月は生活費を支払ってきたが、妻が自宅にすぐには戻らないことがわかると、別居2か月目から車のローン支払いなどの理由を付けて生活費を支払わなくなった。なお、初めての不倫であり、期間は1か月程度であった。
【当事務所の活動】
受任後、直ちに夫に対し、生活費を支払うように文書を送ったが、支払いはなく、弁護士からの連絡にも対応しなくなった。そこで、早期に婚姻費用分担調停を提起した。夫は調停に出席せず、調停は不調となり、審判移行し、夫の源泉徴収票に基づき、算定された金額の未払い婚姻費用の一括支払い及び以後の月額支払いを命じる審判が下された。審判後も婚姻費用の支払いがなかったため、夫婦関係調整調停を提起すると同時に、給与差押の強制執行手続の準備を進めた。夫婦関係調整調停が提起されると夫は観念したのか、弁護士に依頼をし、調停が進むこととなり、未払いの婚姻費用が全額支払われた。
一方、夫との調停と同時進行で、不倫相手への慰謝料請求に着手した。不倫相手に関しては、住所も氏名すらもわからなかったが、唯一、携帯電話番号が判明したため、これをもとに弁護士会の23条照会を利用し、ここから住所氏名を特定するに至った。
【解決の内容】
不倫相手からは慰謝料として金100万円の支払いを受けた。
夫は、当初支払う金銭がないと主張し、慰謝料の支払いを拒否したが、粘り強く調停を重ね、最終的には金200万円を支払わせることに成功した。
【解決のポイント】
女性が依頼者となった場合、まずは生活基盤を固める必要があるため、婚姻費用の分担調停を行うことが必須である。しかも、別居時に婚姻費用の取り決めがない場合、婚姻費用の支払義務が認められるのは、調停を提起した月からとなるのが原則であるため、婚姻費用分担調停の提起が遅れるとその分婚姻費用の受領額が減ることになってしまう。
SNSの普及により、不倫相手の素性を知れないことが多くなっているため、慰謝料請求をすること自体難しい案件が増えているが、携帯電話番号は素性を調べる有力な手掛かりとなることは覚えておきたい。
本件は、初めのしかも1か月程度の短い不倫期間であることを前提にすると、合計300万円の金銭給付は破格の金額と言える。
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