■目次 1. 離婚協議書とは 2. 離婚協議書に記載すべき内容 3. 離婚協議書を作成する流れ 4. 離婚協議書...
有責配偶者の代理人として、受任から4か月程度で離婚請求し協議離婚を成立させた事案
【事案の概要】
離婚/慰謝料の別 離婚
理由 不貞、モラハラ
依頼者 性別:男性 年代:30代 職業:会社員
相手方 性別:女性 年代:30代 職業:パート
子ども 有(2名)
手続き 協議
解決までの期間 依頼から4か月程度
【来所のきっかけ】
夫が不貞をしてしまい、妻から自宅を追い出され、会社も退職せざるを得ない状況になってしまった。離婚に向けた話し合いをしたいが、夫自身では妻と冷静な話ができる状況ではなかった。夫に代わって妻と離婚協議を進めてくれる代理人を探すため、当事務所の法律相談に訪れた。
【事案の概要】
夫が会社の同僚と不貞をしてしまった。それが妻の知るところとなり、夫は自宅を追い出され、会社も退職せざるを得なくなってしまった。そして、金銭面など妻のハードルの高い要望を記載した念書の作成も強く要望されていた。夫自身では、妻と直接離婚の協議をすることが難しい状況で、妻と離婚の協議を進めてくれる代理人弁護士を探して複数の法律事務所の法律相談を受けていた。
【争点】
離婚の成否
養育費
慰謝料
財産分与
【解決内容】
夫の代理人に就任し、まずは、夫は婚姻関係を継続する意思がないことを明確にするために、その旨記載した受任通知を送付し、離婚の意思及び離婚の条件を妻に尋ねた。
妻は当初離婚するかどうか自体迷っていたが、弁護士が夫の離婚の意思が固いこと、今後婚姻関係が継続することとなったとしても同居することがないこと等を合理的に説明することにより、条件次第で離婚に応じる旨の回答を得た。離婚の条件について、当初妻は自宅に住み続けることを希望したが、その後、慰謝料の支払を受けて自宅を出ることを希望するなど、条件がその都度変わることがあった。弁護士が根気強く鋭意妻と交渉することにより、最終的には、妻が自宅を出て、妻から要求された慰謝料及び養育費を支払うことで離婚に合意することができた。離婚合意書について、公正証書を作成し、受任から4か月程度でのスピード解決となった。
【解決のポイント】
有責配偶者からの離婚請求については、原則認められないのが、揺るがない判例上の帰結である。そのため、有責配偶者からの離婚請求の場合、いかに相手方配偶者に離婚に応じてもらうことができるかが、早期に離婚を成立させるためのポイントになる。
本件では、夫が不貞をしてしまったため、当事者間の話し合いでは、すべての場面において、夫は妻から離婚原因を作った事実を責められ、離婚の条件について、夫が言いたいことが言えない状況に陥ってしまっていた。
第三者である弁護士が介入することにより、妻も少しずつ冷静さを取り戻しし、合理的に離婚へ向けての条件整理についての話し合いをすることができるようになった。
妻に離婚に応じてもらう必要があるため、ある程度妻の希望する条件を受け入れざるを得なかったが、弁護士が裁判手続になった場合の基準などを合理的に説明することにより、法外な条件を受け入れることなく、依頼から約4か月というスピード解決となった。本件では、早期に離婚が成立しなかった場合には、夫は、妻が離婚に応じるまで、婚姻費用の支払を強制させられる上、別途、妻と子らが住む自宅(夫は住んでいない)について、月額10万円を超える住宅ローンを負担しなければならない状況であったが、当事務所に依頼することにより、最悪の事態を回避することができた。
本件は、弁護士への依頼がなければ、早期の解決は難しい事案であったと思われる。
自身が有責配偶者の場合、相手方配偶者に離婚に応じてもらわなければ早期に離婚を実現することができない。この場合、当事者だけの話し合いでは協議が進展しない場合が多い。自身が有責配偶者である場合こそ、弁護士への依頼が解決に大きく寄与する事案であるといえる。
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