■目次 1. 離婚協議書とは 2. 離婚協議書に記載すべき内容 3. 離婚協議書を作成する流れ 4. 離婚協議書...
財産分与が原因で離婚に消極的な夫を説得し、早期解決に至った事例
【事案の概要】
離婚/慰謝料の別 離婚
理由 性格の不一致、セックスレス
依頼者 性別:女性 年代:50代 職業:専業主婦
相手方 性別:男性 年代:60代 職業:嘱託社員
子ども 有(成人2名)
手続き 協議
解決までの期間 依頼から6か月程度
【来所のきっかけ】
妻は、子どもが独立したころから夫から「大切にされていない、愛されていない」と感じ、いずれは離婚という選択をせざるを得ないだろうと漠然と考えていたが、いざ夫に「離婚したい」と告げたところ、夫からはお互いに歳を取っているし、いまさら離婚するつもりはないと離婚について消極的な意見を伝えられた。その後も夫婦間で離婚についての話し合いの機会を持ったが、離婚についての意見は平行線となり、妻はこのまま話し合っても埒があかないと思い、当事務所に相談を申し込んだ。
【事案の概要】
離婚の成否が一番の争点であることは間違いなかったが、夫が離婚に消極的な理由としては離婚に伴う財産分与という問題が背景にあった。具体的には、財産分与の対象となる共有財産の大部分が資産的価値の高い自宅不動産であり、夫はその自宅を処分することに消極的であった。
【争点】
離婚の成否
財産分与
【解決内容】
妻の代理人に就任し、まずは、妻は婚姻関係を継続する意思がないことを明確にするために、その旨記載した受任通知を送付し、離婚の意思及び離婚の条件を夫に尋ねた。
夫は当初離婚するかどうか自体迷っていたが、弁護士が妻の離婚の意思が固いこと、協議が並行線になれば離婚調停や訴訟となること等を合理的に説明することにより、条件次第で離婚に応じる旨の回答を得た。その後、財産分与の方法が主要な争点となったが、最終的には自宅不動産は夫、その他の預金等の資産は妻がもらうという分与方法で合意することができた。弁護士が根気強く鋭意夫と交渉することにより、受任から6か月程度でのスピード解決となった。
【解決のポイント】
離婚の成立については、原則として夫婦間での合意が必要なため、一方配偶者が離婚について消極的な意見を持っている場合には、離婚協議が長期化することが想定される。
もっとも、本件のように財産分与やその他の問題が背景に隠れている場合には、それらの条件について問題点を早期に明確にすることによって、離婚を円滑に成立させることが可能な場合もある。
本件では、自宅不動産の資産的価値を明らかにするために弁護士が査定書の取得を手配したり、財産目録を丁寧に作成して夫に提示したことにより、お互いに共有財産の大枠を早期に把握でき、その結果、不毛な協議を回避して早期の離婚成立を達成することができた。
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