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自宅を購入する時に妻の親からもらった頭金はどのように処理すべきですか。妻の親から500万円の頭金を出してもらい、5000万円で自宅を購入しました。現在自宅の価値は4000万円で、住宅ローン500万円が残っています。私(夫)が自宅を取得する場合、妻に対していくら支払う必要がありますか。

Answer

 自宅を購入する際に妻の親が出してくれた頭金は、妻の特有財産として、妻側に上乗せします。実際の計算方法としては、以下の2パターンが考えられます。

Point

1 自宅購入時の価格において考慮する方法

  ①自宅の実質的価値の算定
    自宅の現在の価値から別居時の住宅ローン残高を控除します。

            4000万円-500万円=3500万円

  ②夫婦双方の分与割合の算定
    自宅の購入代金を基準に、妻の親の出してくれた頭金は、妻の特有財産として、
    妻に上乗せをして分与割合を算出します(なお、2分の1ルールに従っています)。

    購入代金5000万円-頭金500万円=4500万円
    4500万円×1/2(2分の1ルール)=2250万円
    妻の分与割合 (500万円+2250万円)÷5000万円=55%
    夫の分与割合 2250万円÷5000万円=45%

  ③夫婦それぞれの取得分額
    妻の取得分額 3500万円×55%=1925万円
    夫の取得分額 3500万円×45%=1575万円

2 先に特有財産分を控除し、夫婦共有財産分から住宅ローン残高を控除する方法

  ①妻の特有財産額の算定
    現在の自宅の価値に、購入価格に占める親から出してもらった頭金の割合
    (頭金÷購入価格)をかけて、まず、特有財産として妻に上乗せする金額を算定します。

    4000万円×(500万円÷5000万円)=400万円

  ②共有財産分の価格を算定     
    自宅の価値から妻の特有財産額を控除し、分与対象となる夫婦共有財産額を算定します。

    共有財産額 4000万円-400万円=3600万円

  ③住宅ローン残高の控除 共有財産額から住宅ローン残高を控除します。

    3600万円-500万円=3100万円

  ④夫婦それぞれの取得分額

    妻の取得分額 (3100万円×1/2)+400万円=1950万円
    夫の取得分額 3100万円×1/2=1550万円

 以上のとおり2つの計算方法があります。1の方法は、計算方法が簡便なため、多く用いられるようです。2の方法は、夫婦一方の特有財産に相当する金額は、現在の価値から先に控除するのが相当であるとの考え方に基づきます。先に特有財産相当額を控除するため、1の方法より、2の計算方法によった方が、頭金を出してもらった側は取得分額が高くなります。2の方法は、共働き夫婦で、値上がりした不動産を売却し、住宅ローンを完済し、売却益を分配するような場合に使われると言われています。

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